2013年9月26日木曜日

大阪フィルハーモニー交響楽団、2014年度より首席指揮者に井上道義!

大植英次の音楽監督退任後、いささか不安定な運営に見えた大阪フィルハーモニー交響楽団ですが、今日になって朗報が届きました(日付上は昨日ですね、すみません)。


一行で必要な情報が綺麗にまとまった見出しに付け加えることがあまりないような気がしてしまいます(笑)。就任は見出しに書いたとおり、2014年度から。

なのでちょっとだけ雑感を。

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オーケストラに首席指揮者や音楽監督がいないというのは大ざっぱに申し上げるなら監督なし、ヘッドコーチたちによる共同運営のプロスポーツチームを想定していただければイメージしやすいかな、民主的に運営できるかもしれないのですけれど、全体を見て大きく方向をつける責任者がいない、ということになります。とはいえすべての演奏会をポストにある指揮者が振るわけでもない、実際客演に限りなく近いポストにある指揮者の団体というのも少なくありません。

でもそれだと、どうしても現状維持がベースになってしまって、どうしてもここからどこかへと向かっていくようなスタンスにはなりにくい…そこに来て、ミッキーこと井上道義氏※の起用は方向を見失っていたかもしれないオーケストラが雄飛するにはいい人選なのではないでしょうか。仄聞するところでは、かなり以前から「もっと外で演奏したい!機会を作れ!」と言われていたようですので、きっと国内外で活躍してくれることでしょう、行政に足を取られなければ、ですけれど。


※お名前から「ミッチー」だと誤解されることが多いようですが、これは間違いなくミッキーです。なにせご自身でそうおっしゃられていますので!

以上簡単ですがご紹介でした。新たなコンビネーションに実り多からんことを。

2013年9月21日土曜日

記録と容量

こんにちは。いきなり開店休業になりかけておりますが、その理由はひとえに「連休増やしすぎ!」ということです。

ああ、これだけだと意味がわかりにくいですね、すみません。少し補足しますと、とにかく公演数が増えるんですよね、連休は。すなわちこちらとしては単純に「クラシカルコンサートカレンダー」のための作業量が増えます。ただでも公演が多い週末が三連休になるだけでも作業ペースが大きく崩されるのに、それが二週連続と来てはもう。

前に久米田康治先生がハッピーマンデーに文句を言われてましたが、私も全面的に同意せざるを得ません、いいかげんにしろよと(笑)。

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さて今日はざっくりとしたお話を。

少し前に放送された模様替えしたN響アワー、じゃなくてクラシック音楽館の、NHK交響楽団によるタン・ドゥン作品の初演公演をようやく見まして。まったくもって19世紀的、20世紀的なクラシック音楽とは異なる二曲、その独特の雰囲気はけっこう面白いものだと感心しました。タン・ドゥン作品がこういう方向の音楽なのだとすると、そのオペラなんかはどんな音なんでしょうね(不勉強ですみません)。マルコ・ポーロに始皇帝、サントリーホールでの「TEA」なんかもありましたよねえ…いやはや、行ける時に行かなかった己の腰の重さを反省してしまいます。


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でもその演奏会、音楽や放送そのものは本題ではありませんで。
個人的な話で恐縮ですが、私の録画機器、残念ながらそれほどの容量がないものだから必要に応じてギリギリの自転車操業を要求されます。うっかりプレミアムシアターやクラシック倶楽部、あと映画などなど気の向くままに録画し過ぎた週にはいつもその後始末ともいうべきダビング作業や「これは一回見ればいい/これは保存しておきたい」などの判断が山積みです。録っただけの番組も少なくはなく、根本的な改善が求められると言えましょう(他人事ですか)。

先ほどの番組にしても、なかなか悩ましい。

最初に演奏された「The Tears of Nature」~マリンバとオーケストラのための(日本の津波犠牲者の追憶に 2012)という作品の持つ優しい雰囲気は、初期ストラヴィンスキー、例えば歌劇「夜鳴きうぐいす」の持つ独特の空気を思わせるところがあるので、プログラム的にここでストラヴィンスキーを(それも出世作を)置くことは理解できます。
そしてメインの「女書:The Secret Songs of Women ~13のマイクロフィルム、ハープ、オーケストラのための交響曲(2012/13)」は映像的な仕掛けも大きな役割を果たす劇場的な作品だから、これは会場で聴けないまでもせめて映像付きで受け取っておきたい。

ということでこの二曲は残しましょうそうしましょう。で、中プロはどうしようか、となるわけですね。職業指揮者による数多くの録音があり、少なくない名演もある「火の鳥」の、エッセンスだけの組曲版、その中でも一般的な1919年版を。さて。
無責任な一愛好家としては無慈悲にカットすべきだと考えるところですが、初演の演奏会となると後で資料的価値が出る可能性、ありますからねえ…コンサートの全体像をつかめることは、明らかに資料としてはより価値のあるモノになりますから、なかなか悩ましい。まさかこれ、ソフト化はしないでしょうしねえ…(流通場所とお値段次第では、意外と海外で売れるかも。時間差商売になる可能性が高いですけど)

テレビにラジオ、そして各種配信などで聴く音楽と、会場で聴くものはどうしてもまた別のものになります、否応なく。会場で何が出されるのか必死に集中して受け取る音楽と、多かれ少なかれ日常の側から少し近づいて聴く音楽とが同じものであるわけ、ないんですよねどうしても。日常にいる私達、その演奏がおかれた場所や雰囲気を捨象して、なかなか無慈悲に断罪してしまいますからね(と書くことで自戒にしよう)。ここで中プロをカットしたらおそらくコンサートを仮想的に体験するというよりは、演奏を音楽を日常のサイドから聴くことになるだろう、そのときには間違いなく不寛容な聴きてになるだろう自分が想像できる。果たしてそれでいいものか(しかしハードディスクの容量には限界がある…)

ううん答えが出せません、しかたないからもうしばらく迷って、カットせずに残しておきますか…(日本的さ・き・お・く・り←実はオリジナルのプレゼンを見ていないけど時流に乗ってみました)

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ここまで書いてきて、思い出したのがこちらの盤。


シャルル・ミュンシュ指揮パリ管弦楽団による最初のコンサート、まさかのCD化には驚かされたものです。数少ない録音が問答無用気味に名盤として評価されている彼ら(個人的には録音が好みではない、というのが悩ましいところです。せっかくオネゲルの録音があるのに…)の、公の場での演奏記録があったとは。でこちらのCDですが、これは二枚組でちゃんと全曲が収められてます。

でもはじめに出たのは中プロのストラヴィンスキー:レクイエム・カンティクルスをカットした一枚物、でした。おい待てよ、と。せっかくの記録、その中の録音自体が非常に少ない作品をカットしてしまうとは何事でありますか全曲で出しなさいな。そういう声が多かったのでしょうか、後になって二枚組のこちらの盤がリリースされたのですね。それこそ資料的価値を考えれば、はじめからこっちにしておけばよかったのに、と思わなくもありませんけれど、商業的理由もね、私の容量的理由より重たく存在したことでしょうから、ここはコンサートで演奏された作品全部が日の目を見たことで結果オーライとしておきましょうか(笑)。

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タン・ドゥンの二作が今後どう評価されるかは不明ですが(その特殊性故に他の演奏家による再演が難しそうに見えるところが、評価を難しくしている部分、あると思います)、初演演奏会がきっちり放送されて、その記録をどうしたものかと書き終わったいまもまだ迷っておりますが(笑)、記事はこのへんでおしまいです。では。




右の二タイトルにくらべて扱いが悪すぎると思います、ラヴェルとオネゲルによる一枚。あと協奏曲の盤もありますよねえ、なぜこの二枚だけが別枠扱いなのかと積年の疑問のひとつです。やれやれ。

2013年9月12日木曜日

(お知らせ)クラウディオ・アバド指揮ルツェルン祝祭管弦楽団 来日中止

ニュースです。

◆クラウディオ・アバド指揮ルツェルン祝祭管弦楽団 来日中止

クラウディオ・アバドも齢80かあ、とちょうど書店に並ぶこの雑誌の表紙であらためて感じていたところにこのニュース、なんとも残念なことであります。



なお、松島で行われる「ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ 松島 2013」の他公演は開催の予定だとのことです。では以上お知らせのみにて。

2013年9月11日水曜日

新ホール紹介:戸塚区民文化センター さくらプラザ

藤原です。

さて本日まずは、遅まきながら昨日知りました新しいホールのご紹介。横浜市は各区に立派な会場がありますねえ…

◆横浜市戸塚区民文化センター さくらプラザ


公式Twitterによれば今年の9月1日に開館記念式典を行った、とのことですからまさにオープンしたて、ほやほやの新会場ですね。戸塚駅直結の地の利、そしてギャラリーに多目的スペース、練習室に453名収容のホールなどを備えた施設とのこと、なかなか使い勝手がよさそうにお見受けいたします。(詳しくはリンク先「施設紹介」にてご確認くださいね

オープニングシリーズはすでにチケット完売の公演もある様子、興味のある方はぜひお急ぎくださいませ。私のイチオシはジャン=ギアン・ケラスの無伴奏リサイタル、です。得意のバッハに記念年のブリテンというプログラム、実にいいと思います、東京オペラシティの公演より親密な空間で聴けるのはメリットですよ※。なお参考になりますかどうか、こちらにバッハの無伴奏チェロ組曲メイキングの映像を貼っておきますね。







※とはいえ、大会場の空間に響くチェロ、というのも捨てがたいところではあります。何よりそういう会場での演奏に慣れた奏者は、その場所に合わせた音楽を聴かせてくれると期待できますし。そんなわけで大会場で聴きたい方はリンク先をご参照ください(笑)

では以上簡単なご紹介でした。実際に行けたらまた何か書けるところですが、それは機会がありましたら、ということで。ごきげんよう。

雑記帳はじめました

こんにちは、またははじめまして。藤原琢磨と申します。本日より、また別の個人ブログをはじめることにいたしました。

これまで個人の活動としては、基本的に「クラシカル・コンサート・カレンダー」をメインに個人的なことは書かないできたのですが、Google+で雑記的なことをちょこちょこ書いているうち、もう少し自由になる場所がほしくなりまして、このタイミングで新しいブログを始めることにしました。向こうはとにかく地道な作業ですので、たまには違うことをしたくなるんです、ご容赦くださいませ(笑)。

自分としてはまたブログか、と思わなくもありませんが、どうもほかのSNSよりはブログのスタイルが性に合うようだし、それに今から新規にサイトを作りこむほどにはWeb方面に明るいわけでもない、もので。苦肉の策で手の内のものを、ということになりました(笑)。

内容としては長短様々なエッセイ風の文を書くこともあり、どこかで知ったニュースをさらっと紹介するなり、新譜を貼るなり動画を貼るなり、ほんとうに雑記になると思います。できるだけ、クラシック音楽の話をメインで、という軸ははずさないつもりです(それ以外の話題は、それこそGoogle+の方でさらっと、くらいにしようかと)。そうそう、この春からはじめたトランペットの話もしたいなって思っていたんですよ!(やる気の割に書けるのは特殊初心者の戯言ですが←この「特殊」についてはおいおいに)

デザインもなにもいろいろと暫定なのですが、もしよろしければ本体ともどもおつきあいくださいませ。では本日はここまで。

…で終わるとあれなので、スタートを飾るべき音楽を、最初の更新の最後にどうぞ(紛らわしい言い方)。